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犬を飼っているホームレスは少なくない。 ホームレスが犬を飼うメリットは3つあるように思う。 1 ペットが好きだから。(孤独感を癒してくれるから) 2 セキュリティとして 3 犬好きな人との交流のため このうちで、やはりホームレスが犬を飼っている理由の最大のものは、やはり1番だろう。 ホームレス本人が年老いたり、病気になったりしても、飼い犬の世話をしなければならないからとテントや路上から離れようとしないホームレスは結構多いのではないかと思う。 たとえ、生活保護を受給できるような状態になっても、犬をつれて入居できるアパートは少ないために、テントや路上から離れようとしない。里親があれば預かってほしいと思うが、そう簡単に里親はみつからないし、動物愛護団体も満杯状態で引き取ってもらうことは難しいようだ。 結果、年老いたホームレスが病魔に倒れ、飼い犬は最終的に保健所で殺処分されるという悲惨なことになりかねない。 自立支援センターの年間経費は15億円と聞くが、その内の何億かでも使って、ホームレスの犬を保護する施策を実施すれば、本当に福祉の手が必要とされるホームレスの何割かとその飼い犬が救われると思う。 行政の進めるホームレス対策、自立支援のメニューの中で、犬対策が全く顧みられていないことは、奇妙なことだ。ホームレスの実態について、よく理解していないと言われても否定できない部分である。
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長居公園で行政代執行が強行された。いや、強行されたという表現はふさわしくないだろう。強行するのが行政代執行だから。 テント生活8年。おっちゃんは、自称54歳。僕自身はあまり付き合いはないけれど、「友人」と顔見知りだ。 「おっちゃんなぁ、この公園も代執行なったらどないすんねん」 「抵抗せんと出ていくわ。俺は自分でちゃんと行き先みつけられる。俺は根っからの野宿やないねん。親は公務員やったんやで。堅気の仕事もしとったしな」 「根っからの野宿って何やねん。誰でも最初は野宿ちゃうで(笑) 」 「施設入っても仕事みつからへんとか言うとるやろ。そんなもんな、こんな生活してたら、今さら、普通の生活でけへんから言うとんのや。やる気の前に自信がないねん。それよか、自由な生活がええねん。大抵はな。そういうのを根っからの野宿言うねん」 「おっちゃんは自信あんのか。50過ぎてホームレスやってたら、いざ、仕事みつけよう思ても難しいんちゃうん」 「難しいかもしれんけどな、人それぞれいろんな事情があったにせよ、野宿は最後には自分で選んだ道や。野宿やめようおもたら、自分で頑張らなあかんやろ」 「ほんなら、代執行なったら、会社勤めするんか」 「いくとこは自分で探す言うてるやろ。どっかまた場所探してテント張るがな。頑張るで」 「おっさん、根っからの野宿やないけ!」
悪態はついたものの、こういうネアカなホームレスは、話をしていても疲れないからいい。元気でいてほしいと思う。病気になったホームレスは気の毒だ。体が資本だからね。病状がひどくなっても、65歳未満であれば、就労不能という診断書でもなければまず生活保護は受けられないし、行路専門の病院にいれられたりする。入院中の彼らを待つものは不安と孤独だ。 「平和にテントで暮らしていける」ための条件には、食えること、立ち退きがないことのほかに、健康であること、を加えなければならないだろう。 |
今まで、たくさんのホームレスと接してきた。そのうちの何人かは、共に杯を交わす、よき飲み仲間である。そして、彼らは、経済的なゆとりを捨てる代償として自由を得た人々である。 「好きでテント暮らしをしてるんやない!」 しかし、缶集めや粗大でとりあえず食えたら、テント暮らしほど気楽なものはないだろう。食べるために必死に働く必要はあるが、わずらわしい人間関係や就業規則や社会通念から解放されているのだ。 彼らには彼らなりのコミュニティがある。利害が対立しにくい関係の中で、彼らは互いに支えあっている。見栄や社会的立場から相当に解放されている分、彼らの関係はきわめて率直で、ある意味、精神的に豊かですらある。 そういった一面は、「ホームレス=悲惨」という色眼鏡で見ていると決して見えない。そこを見なければ、ホームレスの存在は観念的なものに過ぎなくなってしまうだろう。 すべてのホームレスとは言わない。中にはどうしようもなく悲惨な状態でホームレスにならざるを得ず、いやいやホームレスを続けざるを得ない人もいるだろう。しかし、そういう人は実は少数派ではないだろうか。 ホームレスの多くは、立ち退きさえなければ、そのまま平和にテントで暮らして行きたいと考えてるのが実際だろう。 幸いにしてわが友人は、まだ、具体的な追い出しにはあっていないが、友人が自分で言うには、もしも追い出しになったら、無駄な抵抗はしないで、早めに次の住む場所を探して移動するのが、最も賢いやり方だということだ。 |
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