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いつものテント群から離れたところで、「おっちゃん」がテントの中で死んでいるのが発見された。近くのテントの住民が、しばらく姿を見ていないために不審に思ってテントの中をのぞき、「おっちゃん」が息絶えているのをみつけた。 「おっちゃん」は近所の者にいわせると「偏屈者」で、あまり近隣との付き合いがなかったという。亡くなってから発見されるまで2週間もかかったということが、近隣との結びつきの薄さを物語っている。 「おっちゃん」が近所付き合いがよかったら、もっと早くに発見されて命が助かったのかどうかは分からないが、死に至ることがなくても、ホームレスだって病気になるし、お金に困ることもあるし、事件に巻き込まれることもある。そんな時に頼りになるのは、はやり、近隣のホームレスである。同じように血を吐いて倒れたが、近所のホームレスがうめき声に気づいて救急車を呼び、一命をとりとめたという話も実際にある。一般の社会であれ、ホームレスの社会であれ、人間関係は大切なのだ。 「お前なぁ。死んだ時のために、本籍地と本名と生年月日を書いたメモをテントのどこかにおいとけよ。死んだときくらい、人に迷惑かからんようにしとけ」 例によって「友人」に悪態をつくと、「友人」は、「そやなぁ。このまま突然に心臓が止まったら、俺が誰かわからんままに死んでいくんやなぁ」と珍しくしんみりとした表情で答えた。 考えてみれば、僕も彼をニックネームで呼ぶだけで、その本名は知らない。 PR |
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