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【2024年05月19日13:46 】 |
ホームレスは働き者・・・な人が多い

昨日、本来はテント暮らしをしなくてもいいのにテントで生活しているホームレスがいるということを書いたのだが、そこだけを捉えられて、「ホームレスは怠け者である」という世間の思い込みを助長させては申し訳ないので、ホームレスの名誉のために追記しておこう。

 

ホームレスの収入源は実に様々であるが、アルミ缶回収だけでテント生活をしているホームレスの収入は、だいたい月に3万円から10万円くらいだと僕は見ている。随分と幅があるが、普通にごみ置き場を自転車で巡回して缶を集め、コンスタントに月7万円を稼ごうとすれば、相当な働き者でなくてはならない。

 

空き缶を集めにいく場合、夜が明ける前に自転車でテントを出発して、10キロ先、20キロ先まで缶を捜し求めにいき、昼過ぎに帰ってくるというパターンが多い。(缶の買取場所で支払い金額は、午前中よりも午後からの方が一人頭の額が高い。午前中に缶を持ち込む人の多くは、日銭に逼迫しており、少ない量の缶をできるだけ早く現金化しようとしていると考えてよい)

アルミ缶の値段は、買取場所によって違うが、今のところ150円くらいが相場である。7万円稼ごうと思ったら、1日に15キロ以上、毎日集めなければならない。競争が激しいため、近隣市町村の資源ごみの日を熟知し、いい場所を複数箇所知っていて、他の人にとられないように効率よく回らなければならない。

 

それ以上稼ぐにはどうするか。もっと稼ぐ人はたいてい、特定のマンションの管理人と仲良くなっていて、缶をもらう代わりにごみ置き場の掃除をするなどしている。なじみの場所ができるまでが大変で、何度も通って頭を下げ、信用してもらって初めて自分の特定の「お得意様」になってくれる。追い払われることもしばしばだが、ぐっと我慢するのだ。

 

銅線で稼いでいる人も同じである。銅線は今が好調で、キロ600円以上するが、特定の電気工事店に頼んで、廃線や余りの線をもらってくる。

また、パソコンのモニターやテレビなどは、映っても映らなくても(電気のない彼らには確認できない)500円から1000円くらいで引き取ってもらえる。近隣住民と仲良くなれば、いらなくなったそういった資源を住民がもってきてくれることもある。ホームレスといえども怠け者であってはいけない。「お得意様」や地域の人から可愛がってもらえるために、ある程度の社会性も必要である。「食える」ホームレスは、頑張って働いている。怠け者ではだめなのだ。

 

月に7万から10万も収入のある人ならば、普通に安いアパートで暮らせるではないかと言われるであろうが、そうしないのには、彼らなりに色々と理由があるのだろう。また、缶や銅線で稼いでいる人は、アパートに入ってしまったら缶や銅線で生活すること自体が難しくなる。「お得意様」や地域住民と切り離されてしまえば、「高収入」も見込めない。

 

話は少し変わるが、アパートに入らなくても、テント生活にそれなりに適合し、「食える」生活をしているホームレスが、テントの立ち退きを要求された場合、「お得意様」や地域住民と切り離される不安があるし、全く離れた場所に移動させたれたら、それまで確保していた縄張りから遠くなって「仕事」がしにくくなるという困った事態に直面することになるのである。

 

テントの場所も一から見つけなければならないし、それまでのテント・コミュニティも崩壊する。行政への抵抗を否定している我が「友人」ですら、やはり、立ち退きを要求されることは恐怖なのである。

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【2007年02月18日14:55 】 | 未選択 | コメント(0) | トラックバック()
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